軽減税率

与党が民主党から自民党に代わりました。
今回の選挙において消費税増税は大きな論点の一つでした。与党が民主党から自民党になったことで、増税自体の流れは変わりませんが、低所得者対策に違いがあります。民主党は低所得者に現金を給付をするという「給付付き税額控除」であるのに対し、自民党は食料品などを低税率とする「軽減税率」としています。
軽減税率を採用している他国の例ですが、冷たいサンドイッチと温かいハンバーガー、バターとマーガリンで税率が違ったり、店で食べるか持ち帰りかでも税率変わったりさいます。税率が何%になるかによって売上が大きく変わることになりますので、関連する業界にとっては死活問題になるでしょう。

また、軽減税率は会計処理が複雑になります。現行の制度のままでやる場合、同じレシートのの中で複数の税率のものが入っているため、税率ごとに入力をする必要がでてきますし、同じ領収書でもどんな目的で消費したのかが分からなければ処理ができないことになります。これではあまりに煩雑なためインボイス方式が検討されると思われます。これは請求書や領収書にどれだけ消費税を預かったか記載されており、それを集計して税額控除するものとなります。(詳しくはこちらの財務省ページ
今後の動向に注目していきたいと思います。

競馬の外れ馬券は経費か!?

11月末に気になるニュースが有りました。
「外れ馬券経費にならない」という法解釈 これではファンは安心して馬券買えない

簡単に説明しますと、計28億7000万円分の馬券を買い、当たり分の配当額として計30億1000万を受け取り、3年間で1億4000万円の利益になった。それに対して5億7000万円分の脱税が認定されたというお話です。

ぱっと見る限り、1.4億の儲けに対して、5.7億払えというのはおかしいだろうと思います。税法上では競馬の払戻金は一時所得とされていて、その経費は「収入を得るために支出した金額」となっています。ただしこれについては他の所得の必要経費の概念より狭く、原価相当(その収入を生じた行為をするため,又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額)のものが対象となります。そこを根拠に税務署は脱税と判断し、納税者側は納税するお金自体がない(担税力が無い)事を根拠として争っています。

一時所得に原価相当の経費しか認めない場合、担税力が無いことは立法側も認識しており、そのため一時所得は年間50万が控除された上に半分が控除できるようになっています。

{(馬券の払戻金-当たり馬券の購入費)-50万円}×1/2=一時所得

今回のケースでは購入額が想定外に多額であったために起きたことといえると思います。納税が不可能であることも事実ですので、落とし所としては「一定額以上の払戻金は雑所得や事業所得としてハズレ馬券も経費として認めつつ、50万や1/2の控除を取り消す」といったところではないかと個人的には思いますが、どうなることでしょう。

それにしても3年間で100万を1.4億まで増やしたという競馬予想ソフト、売ったらかなりの儲けになりそうですよね。競馬やるより儲かっちゃうかも??

交通事故による休業補償の税金

このホームページを作ってくれた知人が交通事故にあいました。右足骨折で1ヶ月程の入院になるようです。お見舞いに行ってきたんですがようやく車椅子で動けるようになったようですが、まだかなり大変そうでした。動けなくて辛いと思いますががんばって下さい。

その知人はフリーランスとしてHP作成業をやっていますので、当然入院中は仕事ができなくなります。その場合休業補償として保険会社などから支払われるようですが、その金額は前年の確定申告の所得金額に家賃や従業員給与といった休業中も払わなければならない固定費を足して日数按分します。また動けない自分の代わりに仕事を頼んだ場合、その分として支払った費用も保証してくれる場合があるそうです。

計算式:(事故前年の総所得額+固定経費) ÷ 365 × 休業日数=休業損失

無申告だったり過少申告だった場合は帳簿を出せばその分も認められることもあるようです。ただし当然申告もすると思うので税金で持っていかれる方が高くなるかもしれませんね。

ちなみに受け取った休業損失は所得税上は非課税となります。ただし必要経費に算入される金額を補てんするための金額が含まれている場合は収入となりますのでご注意を。要するに上記の計算式の固定経費の分については収入に、ということですね。保険会社からの支払通知書に内訳があるんでしょうか。実物を見る機会があったら確認してみます。

生命保険料控除の改正

11月に入り、そろそろ年末調整に関する生命保険料控除の通知が届いた頃でしょうか。今年から生命保険料控除に介護医療保険料控除が追加されました。

とはいえ24年1月以降に新たに保険に加入していない方については特に変更はありません。変更となるのは24年1月以降に保険に加入した場合です。

ちょっと複雑な部分もありますので、パターン別に控除額を記載いたします。なお年金保険に加入している方は少ないため、生命保険と医療保険のみに限定しています。

  • 23年までに加入した生命保険・・・5万円控除
  • 24年以降に加入した生命保険・・・4万円控除
  • 24年以降に加入した医療保険・・・4万円控除
  • 23年までに加入した生命保険+24年以降に加入した医療保険・・・4万(生命)+4万(医療)=8万円控除
  • 23年までに加入した医療保険+24年以降に加入した生命保険・・・0万(医療)+4万(生命)=4万円控除
  • 23年に加入した医療保険を25年に更新・・・23・24年は0万、25年から4万控除

現時点で生命保険に加入している方については、新規に医療保険or介護保険に加入することで控除額が5万から8万円に増額されます。元の生命保険は5万の控除ですが新しい介護保険をプラスすると自動的に4万に減額され、医療保険控除と合算されるのです。

仮に24年12月に医療保険に加入して1ヶ月分の3千円のみ支払った場合、それを従来の生命保険(5万円控除のもの)に足して計算すると43,000円の控除額になってしまいます。新しい医療保険が1万円を超えないのであれば従来の生命保険だけで控除を受けたほうがお得ということになります。

ちょっと分かりにくい部分がありますので、ご質問がありましたらコメントもしくはお問い合せください。

電子申告

税理士事務所が主に使うソフトは、会計ソフトと税務ソフトの2種類があります。会計ソフトは以前ブログでも紹介した「キーパー財務」というソフトを使用しています。

税務ソフトについてはNTTデータの達人シリーズを使用しています。税務ソフトは会計と違って種類も多くなく、キーパー財務と連動できるソフトは限られているため余り悩まず決めました。この達人シリーズは税務ソフトとしては後発ですが、直感的に操作ができなかなか使いやすいです。

特に電子申告(e-tax)の開発・運営についてもNTTデータが行なっているため、電子申告への対応が優れています。先日も達人による電子申告研修会に参加してきましたが、ソフトだけでなくe-tax制度そのものに詳しい方が揃っていました。

当事務所ではお客様のご希望がない場合、基本的には電子申告にて申告をさせて頂いております。もちろん申告後には紙の申告書もお渡しいたしますのでご安心を。また電子納税を利用するとペイジーによりATMでも納税が出来ます。窓口で並ぶ必要がなくなり非常に便利ですよ。
鈴木祥彦税理士事務所の電子申告
ペイジーによる電子納税

会計ソフト

税理士職員が一番長い時間操作するであろう会計ソフト。

この操作性の出来によって事務所の運営効率や自分や職員ストレスも変わるし、分析帳票の充実さによってお客様へ分かりやすく説明できるかどうかも変わります。

うちの事務所ではかなりマイナーですが「キーパー財務」というソフトを導入しました。税理士事務所勤務の人に話してもほとんど知られておらず、知名度が低いのですが使い勝手はなかなかいいです。

そこでいままで使ってきた会計ソフトを私見を交えてレビューしたいと思います。あくまで私見ですし私が使いこなせていないだけかもしれませんのでご了承下さい。では使用順に。

  1. キーパー財務:入力がとにかく早い。日付・摘要・金額の3つのみで仕訳でき、全てテンキーで打てる。摘要の初期登録さえきちんとすれば慣れてない人でも打てる。分析帳票も豊富。ただし伝票入力ができないため複合仕訳は打ちにくい。要望を受けてのバージョンアップも頻繁。
  2. JDL:転職後に初めて使用。日付・借方・貸方・金額・摘要と全て打つ必要があり、科目コードを覚えていないとかなり時間がかかる。専用機時代からのソフトなので特殊な操作も多く、直感的な操作ができない。ただし申告書ソフトは超優秀。
  3. 勘定奉行:CMでお馴染み勘定奉行。伝票入力が出来るため、毎月同じ仕訳が続く場合は伝票複写が便利。摘要登録が面倒なのでキーボードでの操作が多い。また、分析資料が数字の羅列ばかりでグラフの帳票などがない、消費税のチェック証票が出せいない等、痒いところに手が届かなくてバージョンアップでも改善されない。あれだけ利用者が多いのに要望は上がらないのだろうか・・・
  4. 弥生会計:わかりやすいインターフェースに直感的な操作で、初心者にも扱いやすいと思われる。ただ操作にキーボードとマウスを多用するため、作業効率は落ちる。分析帳票などは豊富。
  5. PCA:入力は伝票タイプなので勘定奉行・弥生に慣れている人なら扱いやすい。自計の客先での操作なので入力の操作性については分からず。自計化の法人向けに作られているのか、監査証票や分析資料等は豊富なため使いやすかったです。

他にも大企業向けのソフトやクラウド型のソフトなども利用しましたが、一般向けでないので割愛します。総じてクラウド型は面倒です。

そんなこんなで鈴木祥彦税理士事務所の記帳代行ではキーパー財務をメインに使用していますが、自計化されている会社さん向けに徐々に他のソフトも導入予定です。慣れればどのソフトもそれなりには使えるんですけどね。慣れるまでが・・・