以前こちらのブログで不正還付を利用した脱税指南について触れさせて頂きました。
本日その事件の地裁での判決が出ました。求刑懲役2年、罰金1000万円に対し、懲役1年8月、執行猶予4年、罰金600万円という判決でした。
2010年7月〜12年4月、架空の事業損失を計上して確定申告する方法で、顧客49人の05〜11年分の所得税計約2531万円を脱税させ、「社会的影響は大きく悪質。税還付の誘惑につけ込んで脱税をそそのかし、多数の顧客を犯罪に陥れた」と指摘したとのことです。
脱税手法については詳細にはわかりませんが、恐らくは安易に実在しない架空の経費を計上しただけと思われます。また最近でも関西で国税局OBの税理士等も逮捕されていますが、これも架空の貸付金を回収不能に見せかけるという非常に安易な手口です。
こういったやり方では税務署の調査が入ったら即発覚するようなものでありますし、悪質と判断され重加算税の対象となります。もちろん税務調査が入らなければ発覚しませんので、それに味をしめて何度も繰り返す人もいるのは事実です。しかしそんな不確実性の高いやり方に高い顧問料を払って将来にリスクを抱えてやるのはオススメしません。
また対銀行に対して粉飾をするというのもよくある話ですが、そのコンサルタントの手法も非常に安直で驚きます。この前見かけたのは単に売上と売掛金を水増しするだけというもので、結局その売掛金は滞留し続け、翌期以降に売上を戻さざるを得なくなります。
こういったやり方は即効性が有りその場を凌ぐには有効かもしれませんが、将来的に大きな副作用が生じるものです。そういったやり方でなく、長期的に会社の体力を付けながら、不測の事態にも対応できるような会社に成長できるようアドバイスしていく方針であります。