伊豆七島の確定申告無料相談に行きます

東京税理士会では確定申告の時期に伊豆七島や小笠原諸島へ、確定申告の相談員を派遣しております。希望者を募り抽選で何名か派遣されるのですが、今年は私に白羽の矢が立ちまして、先日その打合せに行ってきました。

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応募の際は「伊豆七島のどこか」か「小笠原」のどちらかを選べるので、今年は伊豆七島で応募した結果、大島への派遣が決まりました。ちなみに小笠原のほうが人気らしく、募集人数の9倍近い応募が有るそうです。

派遣先の伊豆大島は御存知の通り大雨による土砂崩れで多くの人が被災した島であります。災害により家財を失った場合、確定申告にて雑損控除というものを受けることが出来ます。そのため今年の確定申告の相談では雑損控除の相談が多いものと予想されます。そのため派遣人数も2名多く、日程も2日多いこととなりました。

普段なかなかやらない雑損控除や農業所得の申告等もあるかと思いますので、楽しみにしています。(もちろん温泉や食事なども楽しみですが^^)。2月末~3月の頭までの期間で、税理士にとっては1年で最も忙しい時期であるのですが、開業直後である今しか行く機会も無いと思うので日程やりくりして行ってきたいと思います。

日程は2月26日~3月2日までになります。その間のご連絡はメール等でさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

小規模企業共済解約時の退職所得について

個人事業主や中小企業者の節税策として最も使われているのは小規模企業共済かと思います。自営業者であればご存じの方も多いと思いますが、掛け金が全額所得控除となり5年以上加入していれば解約時に100%以上で還ってくるため、定期預金をしつつ節税ができると言うような効果があります。

掛け金は月額1000円~70,000円まで自由に設定できますが、途中で増額した場合増額していた期間が5年未満だと、増額分については100%受け取れない場合が有ります(詳しくはこちらで)。また所得が低いうちは節税効果も低く、途中で増額手続きするのも面倒なので所得が増えた段階で最大の7万円で掛けようとお考えの方も多いかと思います。

ですがご注意いただきたいのが受け取り時の税金についてです。受け取り方として一括受取と分割受取が有り、一括受取は退職所得、分割受取は年金と同じ雑所得として課税されます。そのため将来受け取る共済金自体は払い込んだ掛金以上であっても税金を差し引くと掛け金を下回る場合も出てきてしまいます。(それでも払い込んだ時の節税効果を含めれば損にはなりませんのでご安心を。)

一括受取の場合の退職所得控除は加入期間が20年までは1年ごとに40万、20年超からは1年毎に70万ずつ加算されます。具体的には5年目なら200万、20年目は800万、30年目は1,500万が控除されることになります。

一方で月額7万円掛け続けた場合の受取額は5年目で420万、20年目は1,693万、30年目は2,682万円となります。つまり初月から満期まで7万円ずつ払い続けると受取額が退職所得控除を上回ることになり、税金を納める必要が出てきてしまいます。

それを防ぐためには所得が少ないうちでも最低額の千円だけでも加入しておき、加入期間をできるだけ伸ばしておき、所得が増えるのに応じて掛け金を増額していくと、払込時と受け取り時のどちらも上手に節税できる事になります。ということで私もとりあえず千円から加入してみました。

既にご加入の方で加入時から7万円を払い込んでいる方もいらっしゃると思いますが、その場合は分割受取もご検討ください。こちらであれば年金と同じ扱いですので、他の年金受給状況にもよりますが一括受取より税額が抑えられる場合もあります。

ということで、未加入の自営業者の方は少額でも早めの加入をオススメします。

新設法人説明会@江東西税務署

先日、江東西税務署で新設法人を対象にした説明会の講師をしました。

私の担当は法人税で時間は50分という短いもので、今年設立した法人が対象ですので、内容的には導入部分を軽く説明するといったものでした。テキストは用意されたものがあるのですが、話す内容や時間配分は任されているため、届出書について念を入れてお話しました。

というのもこの前、設立1期目のお客さんより決算経過後に申告をご依頼いただいたのですが、届出書を確認したところ給与支払事務所の開設届だけが出されている状態でありました。そのため青色申告の適用を1期目~2期目の間受けることが出来ず、事業立ち上げ時に発生する欠損金が繰り越せないこととなりました。

届け出だけは期限を過ぎてしまうと特典が受けられなかったり、不利な計算を余儀なくされるケースが有りますので、ここだけは忘れずに手続きして欲しいという思いで説明しました。そしたらやはり、説明会の終了後残っている方から設立届は出てるけど青色申告の届けは提出していないと相談されました。幸い1期目の決算は終わっていないため2期目から青色申告となりますが、それでも1期目の欠損金は消滅してしまいます。

前述のお客さんもこの説明会の方も、どちらも行政書士に法人設立を依頼されたそうです。行政書士の方が皆さんそうではないと思いますが、行政書士の仕事は単発で終わるためどうしてもその後のことに対する責任感が希薄になるのではないかと思います。その点税理士はその後も継続関与するため青色申告の届け出を忘れるようなことは絶対にできません。

行政書士の方も届け出を出すならちゃんと最低限のものは出して欲しいし、出さないのであれば一切出さずにすぐに他の専門家に依頼するよう説明して欲しいところです。

マンション管理組合の納税

昨今マンションの管理組合が税務署から申告漏れを指摘されるケースが増えてきております。

マンションの管理組合が居住者から受け取る管理費や修繕管理費等は非課税なのですが、居住者以外の近隣住民へ駐車場を貸し出したり、屋上に携帯基地局や看板を設置したりして外部から賃料を受け取っている場合、納税義務が生じることになります。特に携帯基地局は昨今非常に多く増設され、賃料も高額になってきております。

しかし組合にとっては想定外の話で、申告はもちろん納税資金の貯蓄もしていないことが多いのです。そこへ突然の税務署からの指摘により5年分の納税を一度に支払らねばならず、余剰金や積立金を取り崩して支払い、修繕計画に影響が出るケースも出ています。

マンションの管理組合は「人格なき社団」とされ法人税の申告書を作成しなければなりません。当事務所ではマンションの管理組合向けに申告書を格安にてお請けいたします。

基本料金

  • 記帳は管理会社にて行い申告のみご依頼する場合:年間8~12万円
  • 記帳も申告も含めて当事務所へご依頼いただく場合:年間18万円

消費税の申告も必要な場合や、特殊な事情がある場合は別途お見積りとさせて頂きます。

お見積りやご相談はこちらよりお問い合せください。

 

決算法人説明会

先日、江東西税務署にて7月に決算を迎える法人向けに法人税の講師をして来ました。テキストは用意されているので、その内容を説明するだけで良いのですが、テキストの分量に対して説明の時間が短いのです。1時間で法人税全般を説明しなければならず、どこを削ったら良いか悩ましいところです。

参加者が未経験者なのかベテランなのか、大きな企業か中小法人か、利益が出てるか出てないかで、説明すべき範囲が変わってくるかと思います。そのため説明会の冒頭で参加者にヒアリングをしたところ経験者・中小法人・利益が出ている、という感じの会社が多かったため改正論点や税額控除を中心に説明しました。

これまでの税額控除や特別償却は、機械や備品等への投資に対する物が多かったのですが、最近は雇用者を増やしたり、給与を増やすことで受けられる税額控除が導入されていましてこれらの税額控除は比較的幅広い業種で利用することができますので、特にこのあたりを中心に説明しました。

こういった人的資源に対する税額控除が増えているのはやはり失業率の改善やデフレ脱却を目指す明確なメッセージだと思います。これらの税額控除は利用できる法人も多いかと思いますので利用できるよう積極的に計画を立ててみてください。

不正還付を利用した脱税指南で逮捕(判決)

以前こちらのブログで不正還付を利用した脱税指南について触れさせて頂きました。

本日その事件の地裁での判決が出ました。求刑懲役2年、罰金1000万円に対し、懲役1年8月、執行猶予4年、罰金600万円という判決でした。

2010年7月〜12年4月、架空の事業損失を計上して確定申告する方法で、顧客49人の05〜11年分の所得税計約2531万円を脱税させ、「社会的影響は大きく悪質。税還付の誘惑につけ込んで脱税をそそのかし、多数の顧客を犯罪に陥れた」と指摘したとのことです。

脱税手法については詳細にはわかりませんが、恐らくは安易に実在しない架空の経費を計上しただけと思われます。また最近でも関西で国税局OBの税理士等も逮捕されていますが、これも架空の貸付金を回収不能に見せかけるという非常に安易な手口です。

こういったやり方では税務署の調査が入ったら即発覚するようなものでありますし、悪質と判断され重加算税の対象となります。もちろん税務調査が入らなければ発覚しませんので、それに味をしめて何度も繰り返す人もいるのは事実です。しかしそんな不確実性の高いやり方に高い顧問料を払って将来にリスクを抱えてやるのはオススメしません。

また対銀行に対して粉飾をするというのもよくある話ですが、そのコンサルタントの手法も非常に安直で驚きます。この前見かけたのは単に売上と売掛金を水増しするだけというもので、結局その売掛金は滞留し続け、翌期以降に売上を戻さざるを得なくなります。

こういったやり方は即効性が有りその場を凌ぐには有効かもしれませんが、将来的に大きな副作用が生じるものです。そういったやり方でなく、長期的に会社の体力を付けながら、不測の事態にも対応できるような会社に成長できるようアドバイスしていく方針であります。